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晴&直 楽しいね♪

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保護者実践会

        1月17日 直樹のコミュニケーション

今日はみなさんのとても貴重な時間を頂いておりますので、一つでも来て良かった、役に立つ情報が得られた、と思って頂けたらいいのになぁ~と思っています。

まずは子供達の紹介からさせて頂きます。
子供の名前は**直樹です。平成12年2月16日生まれで7歳、今は**養護学校小学部の2年生です。兄弟で双子の兄、晴樹がいます。同じく**養護学校に通っています。二人とも3歳の時に精神遅滞を伴う自閉症スペクトラムと診断されました。自閉症の特性などはみなさんも御存知だと思いますので直樹の特徴を簡単に紹介させてもらいます。とっても簡単です、言葉がとても苦手で、超多動児です。止まっている時は食べている時か病気の時だけ、と言う感じです。半面、色や形や文字を瞬時に見分けることが得意であったり、絵や写真だと細かい所まで読み取る事ができたりします。おもちゃは細かい物をパラパラしたり眺めたり、文字の書いたパズルや積木を並べて遊んだりするのが好きです。最近は言葉に興味が出てきて人の話す言葉を注目して聞けたりマネたりしています。発達の段階は5歳9ヶ月の時に受けた新K式の発達指数は29で発達年齢は1歳8ヶ月という結果でした。だいたいどんな感じの子なのかは想像していただけるかと思います。

今日はそんな直樹の特徴を活かして家庭でしている支援を紹介させてもらいます。
質問等ありましたら、途中でも構いませんので声を掛けて下さい。後で質疑応答の時間も設けてもらっていますけど、後になると「やっぱりもういいわ」となってしまう時がありますので、「何?今のどうゆうこと?」と思ったその時に聞いて下されば、と思いますので宜しくお願いします。

3歳の時に自閉症だと診断されたときに先生から『話し言葉よりも、絵や写真カードの方がわかりやすいよ』と紹介してもらいました。この時は『これからどうなるんやろう』と不安でいっぱいの時だったので、わらをもすがる思いで教えてもらった【カード】を作って使ってみました。

この時のカードは1枚がはがきサイズだったと思います。今欲しい物が伝えられたらと思い、好きなキャラメルコーンとリンゴジュースそして嫌いなお茶の3枚のカードで始めました。後で先生に報告をすると初めは1枚からやでぇ~と笑われました。始めはカードの意味するところなどがわからず、わけがわからなかったのですが、2週間後に初めて直樹の方から食事をしていた私にリンゴジュースのカードを持ってきてくれました。この時は本当にうれしかったです。これでなんとかなる、やっていける、と思えた瞬間でもありました。

これが我が家の視覚支援を含めて障害特性に対する支援・工夫の始まりです。

まずは子供達がほとんどの時間を過ごしているリビングと台所の配置と工夫している所を見て頂きたいと思います。お菓子やおもちゃを人に伝えないと取れない高い位置、冷蔵庫の上や家具の上に置いています。子供達に触られたくない物には目に見えないようキルトのカーテンをしました。刺激が減って触りたがることがなくなり、子供は注意されることがなくなりました。親もやいやいうるさく言う事がなくなり助かっています。
→配置と工夫
→直樹のコミュニケーションブック

直樹はお菓子やおもちゃであそびたい時には、先程**先生も紹介されていたPECSの方法を使ってコミュニケーションを取っています。直樹は伝えたい事が伝えられるようになって便利になったなぁ~と感じていると思います。
親としても、想像するのではなく、直樹の伝えたい事がわかるようになってホットしています。直樹がコミュニケーションブックを使っている様子に合わせて顔の表情も見て頂けたらと思います。伝わった時のうれしそうな顔や自信を持って伝えているのがわかってもらえると思います。
→色んな物の要求・1(お菓子・おもちゃ・風呂遊び・トイレ)

パソコンで遊ぶのも好きで、どのソフトのどれで遊びたいのかが、直樹にしたら伝えられず、私にしたらわからずで、とても不便に感じていました。DVD・ビデオも同じでカードで要求できるようにするとハッキリした形でズバリと伝えられるようになり、直樹も感じていたであろうストレスから解消され私もスッキリしました。パソコンに関してはソフトで要求して来た時その中のどれで遊びたいの?とブックを使ってこちらから聞いたりすることもできるようになりました。
→色んな物の要求・2(パソコン)

食事用のコミュニケーションブックの必要性を感じたのは去年の冬に我が家は鍋が大流行し、双子の晴樹が言葉で「青梗菜!白菜!」と次から次食べたい野菜などを要求し食べているのに対して、直樹は親が想像する物を取ってもらいそれを食べていたので、直樹の方から**が食べたいと言って同じように食べて欲しいと思い食事用のブックを作りました。食事を取りながらカードで要求するのは同じ右手を使うので面倒かなぁと思ったのですが、ブックを置かないと『取って来て』と催促したりまれですが自分で用意したりしているので、やはり必要なんだなぁと感じています。ただブックのサイズが大きいので置き場所に困ったりもします。もう少しコンパクトにできたらなぁ~と思っています。ビデオは去年の9月15日に**先生と**先生が家に来て下さった日の昼食の様子です。好きな物ばかりだと困りますがごはんを食べたら**とか、**食べたらおかわり、と かけひきもできるようになりました。
→食事・昼食
昼食時の表紙・メニューです。左が晴樹で右が直樹です。
・晴樹は全部食べたのでOKシールをもらいシールが溜まったのでお金と交換しているところです。
・その時に使う分だけをメニューのように表紙に貼って使っています

『**が欲しい』と思っているのにそのカードが行方不明で伝えられない時の様子です。伝えたいことが伝えられず怒っているようです。誰でも伝えたいことが伝えられないと辛くなると思います。ビデオでは欲しい物のカードがないので『ください』とだけ伝えてきました。
→欲しい物のカードがない

困った時に「てつだって」と言えないと誰でも困ります。サラリと言えるようになったらとても便利なので練習しています。今では容器のフタが開けられなかったり、お菓子の小袋が開けられなかったりすると、開けて欲しい物と『てつだってカード』を持ってきて伝えています。赤や青などの色や大・小など物を特定する手がかりになる属性語の練習もしています。家には大きいチェーンと小さいチェーンがあります。去年の4月から大小の練習を始め今では間違う事はありません。色は10月から練習を始め、わかりつつあります。家にはヘルパーさんに来てもらってるので名称がわからず愛称や合図で決めていると伝わりません。誰にでもわかる属性語はとても大事だと思っています。色や大小・数の概念などの勉強にもつながると思います。
→属性の練習とてつだっての要求

外出中急に雨が降ってきて施設に到着、駐車場が離れている時に、雨に当たらなくてもいい様、玄関で先に車からおりて、車を置いてくるホンノ短い時間なので待っててくれたらなぁ~と思ったことがありました。他にもちょっとだけでいいし、ここで待ってて欲しいなぁと感じたことが数多くありました。この「ちょっと待つ」がとっても難しい直樹なので『まって』に応える練習をしています。目で見て確認出来る『まってカード』を持ってるので、直樹は安心して待つ事を覚えつつあります。言葉だけだと理解が難しいのですが、この『まってカード』だと、このカードをもらったら大丈夫、相手を待っていよう・・・という気持ちになるようです。よくたとえで約束手形のようなものと言われていますがホントにその通りだと思います。今は直樹の要求時に『まってカード』を使っていますが、経験を積んで直樹の中で確たるものになった時には、私の都合で待ってて欲しくなった時にも使いたいと思っています。その時にはきっと安心して待てるようになっていると願っています。ビデオはまってカードが嫌になったのか持たない時や、『これはここに置いといて』という感じで、私がいつも置いておいた場所に戻してしまうようになったので、ポケットに入れて持ち歩くようにし、もう一度短い時間から始めたところです。
→まって、に応える

最後に学校に行く前の朝食シーンです。晴樹はまだ寝ていて直樹だけの朝食です。和やかに、なるべくストレスのない生活ができるようにと願っています。
→朝食

今、直樹は人をとても意識するようになってきました。そして人と一緒にいる事が楽しかったり居心地よく感じているようにも見えます。それが今、私が一番うれしく思っていることです。

子供達には社会に通じるよう正しいコミュニケーションの取り方を身に付け、人を信頼して何でも伝えられる様になってもらいたいと願っています。

これで私達の紹介を終わらせていただきます。ありがとうございました。

     * →はこの題名を付けたビデオを流しています * 


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